HIITをやりたいけど、キツくてなかなか最後までできないよ
HIITは短時間でたくさんのメリットを得られる素晴らしい運動です。でも、やっている最中はこの上なくつらい。。
しかし、人間の身体能力やメンタルを強化できる様々なテクニックを科学は教えてくれます。
僕は書籍、 メンタリストDaigoさんのDラボ、パレオさんのブログを参考に、HIITをやり切るための工夫をし続けてきました。その結果として、
- 2日に1回のHIITバーピーを3年以上継続
- サボったのは3年間で5回未満。サボっても翌日には必ずやる
- 徐々に負荷を上げ、当初の4分で56回から現在では8分8秒で126回のHIITバーピーが可能に
という感じで、HIITを習慣化しつつ成長も継続中です。
今回は僕自身が試し、有効だったHIITをやり切るための身体とメンタルを強化するテクニックを9個ご紹介します。
これからお伝えする方法を使えば、あなたの身体能力はより高まり、鋼のメンタルが手に入ります。もうHIITで挫折することはなくなるでしょう。
9個の中から使いやすいものだけでもいいので、ぜひ試してみてください!
ペパーミントの香りが運動能力を高める
Journal of Sport and Exercise Psychologyという科学雑誌に掲載された研究(※1)では、実験の結果ペパーミントの香りが運動へ以下の効果をもたらしたと結論付けています。
- ランニングのスピードアップ
- 握力の向上
- 腕立て伏せの回数増加
上記の研究は対象者が少ないため、どれほどの妥当性があるかはわかりません。でもペパーミントが運動パフォーマンスを上げるという知識があれば、プラシーボ効果で実際に身体にも良い影響があるはずです。
僕がHIITをするときは、必ずアロマでペパーミントの香りを用意しています。そして開始直前に3呼吸くらい香りをかいでから始めるのがルーティーンです。
ペパーミントの香りで集中力が研ぎ澄まされ、やる気が高まります。そしてHIIT中は、ペパーミントなしのときと比べて身体が軽くなったような実感もあるのです。
音楽の力で身体の限界を超える
米国心臓病学会が実施したある研究(※2)では、音楽が心臓の強度や持久力を高めるのかを検証しました。
参加者は127人、平均53歳の糖尿病と高血圧の患者たちです。実験では、参加者をランダムに2つのグループに分けました。
- ①音楽なしで運動するグループ
- ②アップテンポの音楽を聞きながら運動するグループ
両グループ共に速さと傾斜が徐々に上がっていくランニングマシンで限界まで走りました。
その結果、①のグループは平均7分35秒でギブアップ。しかし、②のグループのギブアップまでの平均時間は8分26秒でした。アップテンポの音楽を聞くだけで平均51秒も長く走り続けたのです。
運動能力を高めるパワーソングの条件
上記の研究はスタンフォード式人生を変える運動の科学という本で紹介されていたものです。
同書では上記のような運動のパフォーマンスを上げる音楽を「パワーソング」と呼んでいます。パワーソングの条件は2つ。
- テンポが1分間に120~140bpm
- 粘り強さや強い意志を表現した歌詞
1分間に120~140bpmのテンポは世界的に人間の運動に最も適したリズムだそうです。そして当然、自分を奮い立たせてくれる歌詞のほうが底力を発揮するのに役立ちます。
ちなみに、音楽のテンポを測るにはliveBPMというアプリがおすすめです。490円の有料アプリですが、アプリを立ち上げて音楽を流すだけで、その曲のテンポを教えてくれます。
僕のHIIT中のパワーソングはB'zの「声明」です。
HIITバーピー中は常にこの曲をリピートでかけています。いろいろなパワーソングをランダムでかけるよりも、1曲に固定するのがおすすめ。
理由は曲が変わると運動のリズムが不規則になってやりづらいからです。
また、パワーソングを固定することで脳に条件付けできるというメリットも。僕の心と身体は「声明」で即座にHIITの戦闘態勢に入ります(笑)
自然の力で疲労回復を速める
自然は人体に様々な良い影響を与えることが研究により実証されています。自然の効果を詳しく知りたい方はNATURE FIX 自然が最高の脳をつくる―最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方という本を読んでみてください。
ここでは、自然が運動に与える影響についてご説明します。
運動をすると分泌されるのがコルチゾールというストレスホルモンです。HIITのような激しい運動では、たくさんのストレスホルモンが出て心拍、血圧が急上昇します。
自然の中で運動することで、ストレスホルモンや心拍数、血圧が低下してよりリラックスすることができるのです。加えて、植物による光合成や空気の浄化作用で身体はより多くの新鮮な酸素を取り込むことができ、より速く疲労回復できます。
つまり、自然はHIITの辛さを軽減させるのです。
HIITのためにわざわざ公園とかに行くのは面倒だよ
観葉植物でも自然と同じメリットが得られるんじゃ
手軽に自然のメリットを得られる観葉植物
大自然の中でHIITができれば最高なのですが、実際はなかなか難しいですよね。そんな人におすすめなのが観葉植物です。見るだけでリラックスでき、ものによっては空気清浄効果もあります。
僕はいつもこのスパティフィラムという植物を目の前に置いてHIITをやっています。スパティフィラムを置いてHIITをやった方がセット間の休憩中の回復が速まる気がするのです。
ちなみにスパティフィラムはその空気清浄効果をNASAが認めた観葉植物(※3)の1つ。ホームセンターで500円程度で買えます。
日光にあてなくてもよく、水やりも3日に1度で、済みとても育てやすいです。
サプリで身体能力を上げる
ここでは身体の運動能力や回復力を高めてくれるサプリをおすすめ順に紹介します。
運動能力全体を底上げするクレアチン
クレアチンとはアルギニン、メチオニン、グリシンの3種類のアミノ酸で構成されているタンパク質の一種です。
2003年に行われた研究(※4)では短期間のクレアチンの摂取で最大筋力を5~15%増加させたり、繰り返しの全力ダッシュのパフォーマンスを5~15%向上させたと報告されています。
まるでドーピングじゃな!
ちなみにクレアチンは長期的には筋肉量アップの効果もあります。筋トレをする人はプロテインと同じく、よく摂取しているものの1つです。
僕はOptimum Nutritionの微粒クレアチンパウダー、無香料 2.64 lb (1.2 kg)を使っています。
摂取方法は運動の1時間前くらいに3gと運動後に3gです。
緑茶で持久力アップ&疲労回復
緑茶はサプリではないですが、運動能力アップに役立つので紹介させてください。緑茶には「カフェイン」「アルギニン」「テアニン」の3種類の成分が含まれ、それぞれ以下の効果があります。
- カフェイン:脂肪をエネルギーにして持久力を高める
- アルギニン:運動中に出る老廃物のアンモニアを尿素に変換して除去
- テアニン:リラックス効果による疲労回復促進
玉露(日光を当てないで栽培したお茶)がより豊富なテアニンを含むので、僕が飲んでいるのは坂元園オーガニック玉露 粉末茶。
カフェインの効果が出るのに時間がかかるため、HIITの1時間前に2gとっています。
ロディオラで疲労を軽減して運動パフォーマンスアップ
ロディオラとは高山植物の一種で、精神・肉体の疲労を軽減する効果があります。
ロディオラが運動パフォーマンスに与える影響を検証した研究(※6)では運動前にロディオラを摂取すると、運動の継続時間が平均で24秒長くなりました。
僕はNature's Wayのロディオラサプリをクレアチン、緑茶と同じように運動の1時間前にとっています。値段も1個あたり29円と格安です。
重曹で運動パフォーマンスアップ
重曹は国際スポーツ栄養学会(ISSN)が安全で運動パフォーマンスを高めると認めているサプリメントの1つ(※7)。
高強度の運動でエネルギーを使う際には体内で乳酸が発生し、身体は酸性に傾きます。すると体内で酵素がうまく機能しなくなり、エネルギーを作りづらくなったり疲労の原因になったりするのです。
重曹は弱アルカリ性なので、酸性に傾いた体内で中和し、元の状態に戻してくれます。その結果、身体が本来の機能を維持して運動パフォーマンスがアップするそう。
重曹の運動への効果を検証した研究では、体重1kgあたり0.3gの重曹をとっています。僕の例で言えば、体重70kgなので21gですね!でも、重曹をとりすぎることには3つのデメリットがあるのです。
- 塩分過多になる
- 胃酸が中和されて消化不良になる
- アルカリ性の影響で胃や腸の粘膜を荒らす
なので、多くの情報では重曹は1日3gまでをすすめています。ただ、3gというのはHIITなどの激しい運動はしていない人への推奨値です。
じゃあ結局どのくらいの重曹をとるのがベストなの?
体重や運動の負荷は人それぞれ異なる。だから個人個人でいろいろな量を試して、ベストな摂取量を探るしかないんじゃ
ちなみに僕は1日8gの重曹を4回に分けて水と一緒に摂取しています。起床直後2g、昼食前2g、16時ごろ2g、夕食後2gという感じです。
3gより多いじゃん。塩分過多じゃん
運動をすると汗をかくじゃろ。その汗で塩分も流れ出るから多少多めにとっても大丈夫なんじゃ
4回に分ける理由は?
先ほど重曹のデメリットで書いたように、一気に摂取すると胃酸の中和やアルカリ性のデメリットでお腹を壊すからじゃ
重曹の副作用を減らす摂取方法を確かめた研究(※8)では、4回に分けて摂取したグループのみ全く副作用がありませんでした。
ちなみに重曹はとても安いです。僕が使っている重曹は4.7kgで1690円。1日8gずつ使うと587日もちます(笑)
HIIT前は動的ストレッチで運動能力向上
動的ストレッチとはリズミカルに反動をつけながら身体の各関節を大きく動かし、筋を伸ばすストレッチです。ラジオ体操も動的ストレッチにあたります。
この動的ストレッチをHIIT前にやることで、運動能力が上がり、ケガ予防にも役立つのです。その理由は以下の3つ。
- 筋肉を活発に動かすことで代謝が高まり体温が上昇する
- 関節の可動域が広がりスムーズに動けるようになる
- 筋肉の反応や身体感覚が高まる
僕がHIIT前にやっている動的ストレッチは1日10分!自宅でできる効果的な全身ストレッチ決定版 というサイトに載っているものです。
マインドフルネスで脳が作り出す限界を超える
脳は人間の身体能力にリミッターをかけています。例えば、筋力は本来持っている力の20~30%しか発揮できません。
もしリミッターがなければ、筋肉1平方センチメートルあたり10kgの力を出せます。これは成人男子なら片手で250kgの重さを持ち上げられるほどのパワーです。
HIITをやっていると後半になるにつれて呼吸は苦しくなり、体中痛くなってきて「もうだめだ、これ以上はできない」という気持ちが必ず浮かんできます。
しかし、実際は身体能力の20~30%しか使っていません。脳が勝手にリミッターをかけてきているのです。
このリミッターを無視するために使えるのが、マインドフルネスというテクニック。
HIIT中はだんだん辛くなってくる身体の状態を、マインドフルに観察してみましょう。例えばHIITバーピーなら、
- 「腕立てで腕を伸ばすときに上腕二頭筋が締め付けられるように痛むなぁ」
- 「呼吸は肺が引っ張られるような感覚がする」
- 「ジャンプの最高到達点から着地するまでの間や、腕立ての腕を曲げるときとか、きつくない瞬間もけっこうある」
のような感じで自分の今の身体の状態をただただ見つめるのです。そうやって感情と身体の状態を切り離していると、いつの間にか最後までやり抜けます。
もちろんマインドフルになってもきついものはきついですが、時間が経つのが早く感じられるし、途中であきらめてしまうことも減ります。
アクティブレストで速攻回復
アクティブレストとは「積極的休養」のこと。ストレッチやウォーキングなど、軽く体を動かすことで、血液を循環させて体内の疲労物質をより速く排出できます。
HIITのセット間の休憩ではアクティブレストがおすすめです。その場で手を膝についてじっとしたりしているより、疲労感が少ないことを実感できますよ!
僕のHIIT中のアクティブレストは歩き回ることです。その際にバーピーで負荷がかかる筋肉(腕や足)を意識的に大きく動かすと、より素早く回復できます。
ぜひ自分に合ったアクティブレストの方法を探してみてください!
ポジティブな気持ちで笑顔をつくり、身体も心も強くする
笑顔は運動のパフォーマンスを高めます。Psychology of Sport and Exercise(スポーツと運動の心理学)誌に掲載された研究(※9)で、自然な笑顔がランニングの効果を高めることが検証されました。
- 被験者は24人の男女
- 参加者は以下の4パターンの行動をしながら、それぞれ6分間ランニングマシンで走り、パフォーマンスを測定
- ①自然な笑顔をうかべる
- ②顔をしかめる
- ③顔と上半身をリラックスさせる
- ④普段通りの走り方
上記の研究の結果、最も運動パフォーマンスが高かったのは①の自然な笑顔をうかべながら走ったパターンでした。自然な笑顔は全身の筋肉の緊張をやわらげ、運動パフォーマンスを高めるのです。
ポイントは「自然」な笑顔じゃ
無理やり作った笑顔は逆に筋肉を緊張させ、疲労を高めてしまいます。なのでHIITの休憩中は
- 「楽しい!」
- 「気持ちいい!!」
- 「最高!!!」
と思いながら笑顔を作ってみてください。はたから見ると完全に怪しいですが(笑)
すると、休憩中の疲労回復が早まります。また、ポジティブな気持ちになるので途中で諦めにくくなるのです。
HIIT後は静的ストレッチで疲労回復を速める
静的ストレッチは関節をググっと伸ばしたまま一定時間キープするストレッチです。静的ストレッチには心身をリラックスさせ、疲労回復を速める効果があります(※11)。
翌日の疲労を軽減するために、やっておくのがおすすめです。
ちなみにこの静的ストレッチを運動前にやってしまうと、筋肉が伸びきった状態で固まってしまうため運動パフォーマンス低下やケガにつながってしまいます。なので、必ずHIIT後にやるようにしてください。
僕がやっている静的ストレッチは以下のメニューです。5分程度で終わります。
HIITをやり切る身体とメンタルを強化する9個のテクニックまとめ
- ペパーミントの香りが運動能力を高める
- 音楽の力で身体の限界を超える
- 自然の力で疲労回復を速める
- サプリで身体能力を上げる
- HIIT前は動的ストレッチで運動能力向上
- マインドフルネスで脳が作り出す限界を超える
- アクティブレストで速攻回復
- ポジティブな気持ちで笑顔をつくり、身体も心も強くする
- HIIT後は静的ストレッチで疲労回復を速める
以上が、僕がHIITをやり抜くために使っている方法です。いきなり全部やるのは難しいと思うので、1つ1つ試してあなたに合うものを探してみてください。
必ず今よりラクにHIITができるようになりますよ(๑•̀ •́)و✧
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HIITをやりたいけどキツくて習慣化できない。。
— マナト@知恵の樹🌳管理人 (@manato_chienoki) July 12, 2021
という方向けに心理的、身体的にHIITの辛さを減らす方法を9つご紹介します!
どれも簡単に実践できるので、HIITがなかなかできない方や、もっと身体能力を高めて負荷を上げたい方はぜひ読んでみてくださいhttps://t.co/zkyXIjdFEj
- ※1:Enhancing Athletic Performance through the Administration of Peppermint Odor
- ※2:Music boosts exercise time during cardiac stress testing
- ※3:Interior Landscape Plants for Indoor Air Pollution Abatement
- ※4:Effects of creatine supplementation on performance and training adaptations
- ※5:お茶の成分と健康性 アミノ酸(テアニン)
- ※6:Acute Rhodiola rosea intake can improve endurance exercise performance
- ※7:「重曹」でパフォーマンスUP!? 〜アスリートにおける重曹摂取の効果〜
- ※8:重炭酸ナトリウム(重曹)の新しい摂取プロトコルで消化器症状が軽減される
- ※9:The effects of facial expression and relaxation cues on movement economy, physiological, and perceptual responses during running
- ※10:動的ストレッチングか静的ストレッチングか?【前編】
- ※11:動的ストレッチングか静的ストレッチングか?【後編】